NYの人気店、チップ廃止へ

米ニューヨーク市内の人気レストラン「ユニオン・スクエア・カフェ」や「グラマシー・タバーン」など13店を展開するユニオン・スクエア・ホスピタリティー・グループ(USHG)は14日、系列の全店でチップを廃止すると発表した。
USHGのダニー・メイヤー最高経営責任者はチップ廃止の目的について、その方が従業員1800人のキャリアのためになると指摘。「チップを廃止すれば、収入の増加やプロとしての成長を望む従業員が、職務実績に基づいてそうした機会を得られる」と説明した。
チップは廃止はまず近代美術館内にある「モダン」で11月から実施し、来年1年間を通じて各レストランに浸透させる。チップ廃止に伴って一部メニューは値上がりするものの、客にそれほど大きな影響が出ることはないとメイヤー氏は話し、「変更後も我々のレストランで客が支払う金額は、今とそれほど変わらない」としている。
飲食店のチップに巡っては、接客にあたる従業員と調理場で働く従業員との間で収入に差が生じる問題が指摘されていた。米国のレストランでは会計時に客が金額を計算してチップを上乗せする習慣が定着している。チップ廃止の動きは徐々に広がりつつあるものの、普及するにはまだ時間がかかりそうだ。
ニューヨーク市内では先月、有名シェフのトム・コリッチオが展開する「クラフト」がランチタイムのチップ廃止を打ち出した。コリッチオ氏はCNNMoneyに対し、「チップのために働くという考え方はもう過去のものだと思う」と語っている。チップの金額によってサービスの質が変わるというのは確かに店全体の評価も下げることになりそうだ。チップをもらうことができない調理場の従業員の不満やモチベーションの低下も問題になるだろう。チップを廃止したうえで従業員の賃金を上げるのであれば、だれも損をしない良好な関係を築けるのではないだろうか。